気にしている人も多いであろう2022年サンテミリオン格付けについて、またしても脱退するワイナリーが出てきました。
何だか不穏な雰囲気が漂っているなぁと思うのは私だけでないはず。
ニュース
9月に発表される予定のサンテミリオンの新しい格付けに新たな動きがありました。
Saint-Emilion Premier Grand Cru ClasséのワイナリーChâteau La GaffelièreのオーナーであるAlexandre de Malet Roquefortが手続きの撤退を表明しました。
これまでにChâteau Cheval BlancやChâteau AusoneさらにChâteau Angélusという2012年の格付けでPremier Grand Cru Classé Aに選ばれたワイナリー4件の内3件が脱退を表明しています。
これにより、現Premier Grand Cru Classé AのワイナリーはChâteau Pavieだけが残ります。
今回脱退を発表したChâteau La Gaffelièreは1959年のサンテミリオン格付け発足以来、Saint-Emilion Premier Grand Cru Classéに選ばれているワイナリーです。
オーナーのAlexandre de Malet Roquefortは2022年の格付けの評価基準について言及しています。
サンテミリオンの偉大なテロワールと偉大なワインに対する評価基準に価値を見出せないと言っているとのこと。
格付けの際のテイスティングの採点方法は、偉大なワイン専門家たちから得たすべての得点と矛盾している、と。
父が65年以上前に誕生に貢献もした、歴史的にも愛着のあるこの格付けからは脱退したくなかった。
私たちの書類における評価では、私たちのテロワールは何千年も前から変わっておらず、2012年と同様に白ワイン用ブドウが栽培されている60アールを除いて、昔からほとんど変わらず続けています。
テイスティングにおいても、異常値だらけです。
よくわからない方法で集められたアマチュア審査員は2018年や2019年より2013年の方が良いと判断したのです。
これはやりすぎです。
格付けからの脱退については家族で決めました。
1600年の歴史を無視した人たちとは戦わないと、兄弟姉妹でも意見が一致しました。
ここChâteau La Gaffelièreのテロワールはガロ・ロマン時代から知られ、認められてきたのですから。
いずれにせよChâteau Cheval BlancやChâteau Ausoneという2つの「灯台」が格付けから外れたことで、私たちはもはや独りだったのです。
オーナーのAlexandre de Malet Roquefortは格付け担当チームからの最初のフィードバックが、ここ数年Château La Gaffelièreが続けてきた活動と彼らのワインに与えられた点数が相容れないものであったことを強調し、格付けがあろうがなかろうがChâteau La Gaffelièreのワインに誇りを持っているし、歴史を続けて行くと表明しています。
また、今回脱退を表明したChâteau La Gaffelièreについては詳しく書いているものがあるので、よろしければそちらをご覧ください。
参考記事
サンテミリオン格付け;2大巨塔の脱退についてワイナリーの人に聞いてみた
アンジェルスオーナーの所有ワイナリー、シャトー・ラ・フルール・ド・ブアール
ボルドーで一番景色のいいレストラン、Le Bistrot du Gabriel
最後に、個人の意見
いやはや、毎回格付け更新の度に波乱に満ちているサンテミリオンの格付けですが、またしても偉大なるワイナリーの脱退表明…。
これほどまでにニュースが飛び交う格付けも珍しいのではないでしょうか。
私は見守るだけですが、そもそも格付けに選ばれるためには「申請」せねばならぬことを忘れてはいけないなぁと私は思うのです。
どれだけ歴史があり、どれだけ素晴らしいワインを生産しているワイナリーでも、格付けへの加入を申し込まねば一生選ばれないのです。
お金もかかるしね。
9月の発表が楽しみではあるけれど、とても不安な気持ちになる今日この頃。
格付けが発表されたら私個人の意見も書こうと思っております。
楽しみやら、怖いやらの格付け、どうなるんでしょうか!?!?
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