今月頭に、「グラーヴ大使」なるものが発表されました。
大使と言っていますが、ワイナリーが10件選ばれました。
タイトルだけ見ても良くわからなかったので調べてみました。
グラーヴ大使
グラーヴワイン生産者組合は、消費者の期待に応え、仕様書に沿ったグラーヴワインの価値をアピールするために「Ambassadeur de Graves(アンバサダー・ド・グラーヴ/グラーヴ・アンバサダー/グラーヴ大使)」の肩書を作成しました。
グラーヴワイン生産者組合のディレクターMayeul L’Huillier氏は「5年間の研究の結果、生産者がもはや無視できない社会的な要求が明らかになった」と言います。
一つ目の要求
その一つが「環境配慮」。
生産者が環境を守るために、消費者の健康を守るために行っていることを証明する必要があります、
いくつものラベルが存在しますが、グラーヴ大使では「ISO14001」「HVE3」「オーガニック」「ビオディナミ」を環境配慮のラベルとして認めます。
二つ目の要求
2つ目は「消費者はワイナリー訪問を望んでいる」ということ。
ATOUT Franceが起ち上げた「Vignobles & Découvertes」のラベルが既に存在します。
このラベルは2009年につくられ、観光客の滞在予定を立てやすくするために、宿泊施設、レストラン、ワイナリー見学、試飲、博物館、イベント等の観光に関する提案をしている観光地やワイン産地を認定するもので、3年間有効です。
このグラーヴ大使のラベルを得たい生産者はVignobles & Découvertesに選ばれている必要があります。
三つ目の要求
3つめは「推薦」です。
VIVINOやcellartracker、口頭での消費者の評価が必要です。
これらの意見は技術的な基準以外のものに基づいていることが多いためです。
技術的に成功したワインももちろん素晴らしいですが、消費者が喜びを感じるワインを造ることも素晴らしいことです。
グラーヴ大使のロゴは、同時に「消費者が選んだワイン」であることを証明しています。
選考における保証
「グラーヴ大使」のラベルは以上の3つの要求を満たしています。
またワイナリーの認証にはQuali-Bordeaux Organisme d’Inspection の子会社であるQbvérificationによって検証されています。
この会社は特に農業やワイン分野で企業や製品の管理、認証、監査、検査を行います。
Qbvérificationの専門知識によって、グラーヴ大使が保証されています。
テイスティング
また一般の試飲も行われました。
3週間かけてラ・ロシェルにあるTechni’Sensという調査や消費者テストを行う外部企業の敷地内で行われました。
日常的にワインを購入し、グラーヴワインの価格帯のワインを定期的に購入している消費者がテイスターに選ばれました。
グラーヴ大使のターゲットはワインが好きなアマチュアの人であるため、ワインを消費していない人からの判断を避けるためです。
これにより専門家とは別の軸で話す消費者の信頼を得ることが出来ます。
が、この評価方法は、ワインの世界では革新的なものでした。
申請
申請は有料ですが、希望するワイナリーは、赤ワインと白ワイン、若しくはどちらか1種を申請する必要があります。
このラベルはボトルに貼られるのと同時に、ワイン観光を行っているという証明でもあります。
選ばれたワイナリー
グラーヴにある200のワイナリーからすべての条件を満たした10のワイナリーが選ばれました。
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- Château Chantegrive(シャトー・シャントグリーヴ)
- Château Crabitey(シャトー・クラビテイ)
- Château De Portets(シャトー・ド・ポルテット)
- Château Lagrange(シャトー・ラグランジュ)
- Château La Rose Sarron(シャトー・ラ・ローズ・サロン)
- Château Martignac(シャトー・マルティニャック)
- Château Moutin(シャトー・ムータン)
- Château Roquetaillade La Grange(シャトー・ロクタイヤード・ラ・グランジ)
- Clos Bourgelat(クロ・ブールジュラ)
- Clos Floridène(クロ・フロリデーヌ)
申請されたワイン
Château Chantegrive(シャトー・シャントグリーヴ) | 赤ワイン2019年 |
Château Crabitey(シャトー・クラビテイ) | 赤ワイン2019年 |
Château De Portets(シャトー・ド・ポルテット) | 赤ワイン2019年 |
Château Lagrange(シャトー・ラグランジュ) | 赤ワイン2019年、白ワイン2020年 |
Château La Rose Sarron(シャトー・ラ・ローズ・サロン) | 赤ワイン2019年、白ワイン2020年 |
Château Martignac(シャトー・マルティニャック) | 赤ワイン2019年 |
Château Moutin(シャトー・ムータン) | 赤ワイン2019年 |
Château Roquetaillade La Grange(シャトー・ロクタイヤード・ラ・グランジ) | 赤ワイン2019年 |
Clos Bourgelat(クロ・ブールジュラ) | 赤ワイン2019年、白ワイン2020年 |
Clos Floridène(クロ・フロリデーヌ) | 赤ワイン2019年 |
グラーヴワイン生産者組合
住所;61, Cours du Maréchal Foch 33720 Podensac
電話;+33 5 56 27 09 25
参考記事
最後に
また新たな決定ですね。
ボルドーって同じボルドーワインを生産していても、メドックとグラーヴ、右岸と左岸で全然取り組みが違うから面白いよね。
個人的には既に十分に観光客を集めているようなワイナリーは申請してないのかなぁと。
私が訪問したワイナリーで、グラーヴ地方でオススメのワイナリーとかまとめてみます!
グラーヴ地方はバスで行けるワイナリーもあるし、車でも30分以内で行けるワイナリーが沢山あるので、半日でも十分楽しめますよー!
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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