コーヒーメーカー?謎のタンクについて。

サンテミリオン

この間、Twitterにあげたタンクについて少しだけ詳しく書こうと思います😊

私はフランスのソムリエ協会に所属しています。

ボルドーでは月に1回ワイナリーの見学を行っていて、この間サンテミリオンに行ったときのこと。

 

不思議なタンク

こんなタンクがありました!

x.com

ん?

大量にコーヒーでも淹れるのかと思う形。

とっても不思議です。

 

簡略図

分かりにくいと思ったので、タンクを簡略化した絵を書きました。

こんな感じで上下2つに分かれているタンク。

上と下に入っているワインは全く接触しない、2つのタンクです。

 

タンクの出入り口

蓋があるのは基本的に3か所。

赤色で表示したところです。

+αでホースをつなぐことのできるバルブもあります。

 

発酵中の抽出

上部タンク

上のタンクは上部に大きな蓋があるので、アルコール発酵中の抽出は

  • ルモンタージュ
  • ピジャージ

の二種類。

 

下部タンク

下のタンクは大きな蓋がなく、ピジャージュをすることができないので、抽出は

  • ピジャージュ
  • デレスタージュ

の二種類を行います。

タンク

(ルモンタージュ/ピジャージュ/デレスタージュについては以前書いたブログこちらをどうぞ)

 

醸造中のタンク内部

こちらも簡略図で説明したいと思います。

醸造中のタンク内はこんな感じ。

タンク

薄いピンクが果汁(ワイン)で、濃い赤が果帽(種・皮)を表しています。

上と下、バラバラで考えてみたいと思います。

 

上部タンク

タンク上部だけ見てみましょう。

タンク

果帽と果汁(ワイン)との接触面積は広く、果帽は薄いです。

抽出作業がルモンタージュとピジャージュということに大きく由来しているかと思いますが、上部タンクでは比較的フルーティーなワインができるそうです。

 

下部タンク

タンク下部はどうでしょうか。

タンク

果帽と果帽と果汁(ワイン)との接触面積は狭く、果帽は厚いです。

こちらの方が果帽がコンパクトなのも特徴。

抽出作業がルモンタージュとデレスタージュ。

デレスタージュは抽出力も大きいです。

それだけが要因ではないかもしれませんが、比較的タンニンが抽出されるそうです。

 

最後に

このタンクはサンテミリオンのCouvent des Jacobinsというワイナリーが特注で作ったもの。

他のワイナリーでは見ることができません。

さらにこのワイナリーは基本的に見学ができないので、お邪魔できるか分かりませんが、何か新たに情報を仕入れたら追記します!

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