グラーヴの有名ワイナリー、シャトー・ラトゥール・マルティヤック

左岸

久しぶりにグラーヴ地方のワイナリーです。

特徴的なラベルのワインなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ということで、今回はChâteau Latour Martillac(シャトー・ラトゥール・マルティヤック)のご紹介です。

歴史

12世紀

このワイナリーの名前は敷地内の中庭にある塔に由来しています。

これは、Montesquieu(モンテスキュー)の祖先によって建てられた小さい砦の名残です。

建物はボルドーとトゥールーズを結ぶ道路を管理していました。

18世紀末

砦の石は18世紀末に現在のお城を建設するために使用されました。

1871年

ボルドーにネゴシアンを創立したばかりのEdouard Kressmann(エドワード・クレスマン)がこのワイナリーに注目しました。

彼は沢山の砂利がある丘から生産される白ワインの品質に魅惑されました。

1884年

Edouard Kressmann(エドワード・クレスマン)によってGraves Monopole Dry(グラーヴ・モノポール・ドライ)用の接ぎ木が行われました。

この区画は今現在も使用されています。

1929年

ロンドンのWine and Spirit Trades’ Benevolent Societyにより、イギリス国王であるジョージ6世の戴冠式の祭典で赤ワインが選ばれました。

1930年

Edouard Kressmann(エドワード・クレスマン)の長男であるAlfred Kressmann(アルフレッド・クレスマン)がワイナリーを相続しました。

当時の名前はChâteau Latour(シャトー・ラトゥール)でしたが、メドックにある有名なワイナリーとの混同を避けるためにワイナリー名をChâteau Latour Martillac(シャトー・ラトゥール・マルティヤック)と変更しました。

当時は15ヘクタール程度あり、その大部分で白ワイン用のブドウが植えられていました。

古い区画に触れることなく、Alfred Kressmann(アルフレッド・クレスマン)はメルローの区画にカベルネ・ソーヴィニョンを追加しました。

1930年代

Alfred Kressmann(アルフレッド・クレスマン)と息子のJean Kressmann(ジャン・クレスマン)は芸術的才能も持っており、ラベルをデザインします。

当時のブームでもあったアールデコ調に触発され、有名な「金と砂のストライプ」のデザインとなりました。

1953年

グラーヴの格付けが選ばれ、Château Latour Martillac(シャトー・ラトゥール・マルティヤック)は赤ワイン/白ワイン共に選ばれました。

1954年

息子のJean Kressmann(ジャン・クレスマン)がワイナリーを相続します。

Jean Kressmann(ジャン・クレスマン)は砂利地の土地を購入しました。

それにより、ブドウ畑は30ヘクタール近くまで拡大します。

 

Jean Kressmann(ジャン・クレスマン)の子供たちが家族経営のワイナリーを相続しており、今現在は末っ子であるTristan(トリスタン)とLoïc(ロイック)が経営しています。

1980年代

ソーヴィニョン・ブランの区画を追加。

2018年

ラベルのマイナーチェンジ。

ビンテージの記入か所が変わりました。

 

ブドウ畑

畑は全部で57ヘクタール所有しています。

その内48ヘクタールが赤ワイン用9ヘクタールが白ワイン用畑です。

熟成

32~33万樽で毎年熟成しています。

全てフランスのオーク樽

6~7社から樽を購入しています。

赤ワイン

ブドウ品種

赤ワイン用品種は平均樹齢が25年で

  • 55%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 40%メルロ
  • 5%プティ・ヴェルド

が植えられています。

砂利の多い区画にはカベルネ・ソーヴィニョンやプティ・ヴェルドを、粘土や石灰、砂が多い区画にはメルロを植えています。

収穫から醸造

収穫は手摘み。

除梗して、選果をして、フロワーを通します。

その後、選果されたブドウをタンクの上に持っていて、重力だけでタンクの中にブドウを入れていきます。

アルコール発酵中はルモンタージュを。

そしてマロラクティック発酵もタンク内で行います。

熟成

熟成中の新樽使用率が35%です。

ファーストワインは16~18か月熟成。

セカンドワインは7か月です。

白ワイン

ブドウ品種

白ワイン用品種は平均樹齢た35年で

  • 60%ソーヴィニョン・ブラン
  • 40%セミヨン

が植えられています。

収穫から醸造

手摘みで収穫されたブドウは、選果を行います。

その後、3~4時間くらいかけて圧搾を行います。

さらにデブルバージュ、そしてソーヴィニョン・ブランだけ低温での醸しを行います。

選果されたブドウはステンレスタンクに入れられてアルコール発酵を行います。

その間はルモンタージュを行います。

発酵が終わったら熟成へ。

熟成

熟成は澱を除かず行います。

新樽使用は25%

ファーストワインは15か月樽で熟成

セカンドワイン/サードワインは7か月熟成

この7か月熟成は2か月樽で、5か月はタンク内で行います。

まとめ

ブドウ品種

赤ワイン

55%カベルネ・ソーヴィニョン

40%メルロ

5%プティ・ヴェルド

白ワイン

60%ソーヴィニョン・ブラン

40%セミヨン

タンク

ステンレスタンク

熟成期間

赤ワイン

16~18か月

白ワイン

15か月

新樽使用率

赤ワイン

35%

白ワイン

25%

 

ワイナリー情報

Château Latour Martillac(シャトー・ラトゥール・マルティヤック)

住所;8 Chemin la Tour, 33650 Martillac

電話;+33 5 57 97 71 11

 

参考記事

ワイナリーSNSまとめ、グラーヴ編

グラーヴ、ソーテルヌ・バルサックの格付けまとめ

ワイン醸造:アルコール発酵について。

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

 

最後に

この間訪問しましたが、ちょうど収穫中で作業中のエリアはコロナ対策で見ることが出来ませんでした。

また収穫が終わる時期にお邪魔したいと思います!

グラーヴ地方のワイナリー訪問は白ワイン/赤ワイン共に知ることが出来るので楽しくておすすめです!


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